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トンチンとは?メリット・デメリット、販売会社の商品を比較してみた

この記事は約6分で読めます。

年金についてですが、あなたは、

「トンチン年金」

という商品を聞いたことがあるでしょうか?

たぶんないと思います。

なぜなら、

あなたは今まだ若いから!

です。

私も、先日FPの書籍を読んでいるときに初めて知った商品です。

どのようなものか?

これは現代の日本をターゲットにした商品であることが分かったので、その内容を書いていきたいと思います。

トンチン年金って一体なにもの?

年金というと

  • 国民年金
  • 厚生年金
  • 個人年金

などとよく聞く名称を思い出します。

しかし、「トンチン年金」とは「何者なのか?」「どのような商品なのか?」気になるところです。

トンチンの由来は、

17世紀の銀行家ロレンツォ・トンティ氏が考案した保険と言われ、同氏の名前が由来と言われている

だそうです。

また、この保険内容を簡単に言えば、

長生きすれば支払った保険金以上の金額をもらうことができる。

一方、早く死んだり、途中解約をすると損をする可能性が非常に大きい

という保険です。

仕組みを言うと、

死亡保険金や解約返戻金を一般的な個人年金保険より抑えることで、その差額分を生じさせ、差額分を支払われる年金額へ回しているもの

つまり、早く亡くなった人が支払った保険金を長生きしている人の支払い年金にあてている

というものです。

何でそんな保険に入る人がいるのか?

  • うちの家計は長生きだ
  • 健康に自信があるから長生きしそう
  • 人生に成功してお金が手に入ったから栄養は十分、長生きをする

など考えている人がいるからと自分自身では思います。

トンチン年金のメリット

では、この「トンチン年金」のメリットは

  1. 長生きをしているとどこかの時点で、支払総保険料より受け取り年金総額が上回る
  2. ほとんどの商品が50歳以上の加入となっており、老後資金の準備ができる
  3. 加入前の健康告知が不要
  4. 長生きしようという気合をいれることができる(笑)

と言えます。

2番目の老後資金の準備ですが、商品によっては、10年確定年金があり、

50歳加入で70歳で払込満了、その後80歳まで生きると、返戻率が100%を超えるもの

もあります。

そのため、

  1. 20年間で保険料を支払い
  2. 80歳までは月々の個人年金を受け取り生活費等にしていく

という考え方です。

また、3番目の健康告知が不要というのは、やはり長生きを前提とした保険です。

健康状態が悪い人が加入しても長生きをする確率を考えると、そのような人は加入しないだろうという前提なのではないかと思います。

トンチン年金のデメリットは?

デメリットとしては、

  • 契約加入年齢が50歳以上
  • 損益分岐点が平均寿命より高いのがほとんど
  • 人の運命は誰もわからない(笑)

というところです。

老後資金の準備が出遅れた人にとっては、50歳以上からの加入でよいかもしれません。

それより早く老後資金の準備をしたい人にとっては、遅すぎるスタートに。

また、平成30年時点の日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳です。

トンチン年金の損益分岐点は、概ね90歳を超えたあたりに設定が多い。

だから、加入者の何割が得をするのか考えるところです。

トンチン年金の商品内容

日本生命「グランエイジ」

被保険者加入年齢範囲 50歳~87歳
健康告知の有無 不要
支払い方法 月払・口座振替払
商品 5年保証期間付き終身年金、10年確定年金

支払い例

5年保証期間付き終身年金

契約50歳、払込満了70歳

・男性月額保険料 50,790円

・女性月額保険料 62,526円

・年金額60万円

性別 支払い総額
男性 1218万9600円
女性 1500万6240円
年齢 受取年金額 男性返戻率 女性返戻率
75歳 300万円 約25% 約20%
80歳 600万円 約49% 約40%
85歳 900万円 約74% 約60%
90歳 1200万円 約99% 約80%
95歳 1500万円 約123% 約100%

第一生命「ながいき物語」

被保険者加入年齢範囲 50歳~80歳
健康告知の有無 不要
支払い方法 月払口座振替
商品 10年保証期間付き終身年金、確定年金(5,10,15年)

支払い例

契約50歳 払込満了年齢65歳

・男性・女性ともに月払い保険料5万円
~支払総額900万円

10年保証期間付き終身年金

性別 年金額
男性 約60万円
女性 約48万円

返戻状況(年金開始が75歳から)

年齢 男性受取年金額 男性返戻率 女性受取年金額 女性返戻率
80歳 約300万円 約33% 約240万円 約26%
85歳 約600万円 約66% 約480万円 約53%
90歳 約900万円 約100% 約720万円 約80%
95歳 約1200万円 約133% 約960万円 約106%

その他の商品

そのほかにもトンチン年金商品があり、

  • 太陽生命「100歳時代年金」
  • かんぽ生命「長生きのしあわせ」
  • 三井住友銀行「一生涯受け取れる 人生応援年金」(2018年2月5日開始)
  • マスミューチュアル生命保険株式会社「マスミューチュアル定額年金米ドル建、豪ドル建
    に、2018年1月16日より『ながいき年金プラン』を追加

などがあります。

この中で、「三井住友銀行」については、トンチン年金の取扱は、銀行窓販初。

マスミューチュアル生命の商品については、野村証券を通じての販売となっています。

三井住友銀行及びマスミューチュアル生命の商品については、外貨建ての商品。

先ほど話した早期死亡、早期解約に伴う返戻金の減少とともに、為替変動による金額の減少もあることに注意が必要です。

まとめ

トンチン年金について調べてみました。

メリット、デメリットともにあり、長生きをしそうな人や、老後の資金準備のためなどの目的がある人であれば加入のメリットもあると思います。

一方、損益分岐点が90歳代にあることや外貨建ての商品については、為替変動による金額の減少がデメリットとなりそうです。

このたび「トンチン年金」を調べてみて、様々な保険商品があることを実感しました。

トンチン年金については下の本でも紹介されています。

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