昭和生まれ。小学生のころ学校で全力で遊んだ懐かしい日々。
ふと思う、”一体今は全力で何かしているのか?”
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【知りたい】不動産で使われる用途地域、新設の「田園住居地域」を解説【前編】

先日の記事で不動産を購入するときに、用途地域について書きました。

【必見】不動産を購入する前に周囲でチェック・注意しておきたいポイント
不動産を買う前に業者にあおられて焦って買ってしまい、後から後悔した人も多々いると思います。私は実際不動産を購入した後に、周囲の状況をよく確認する必要があったと思った一人です。今回は、実際に経験した内容を踏まえて注意すべきポイントなどをあげてみました。

それから用途地域に関する読み物をしていたとき、平成30年4月から「田園住居地域」が新設されていることを知りました。

正直、記事を書いているときに田園住居地域が新設されていたとは知らずにお恥ずかしい。

新設された「田園住居地域」について、一体どんな用途地域なのか気になったので調べてみました。

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田園地域住居が新設された背景

都市部における農地に対する状況の変化

【必見】不動産を購入する前に周囲でチェック・注意しておきたいポイントでも書いている通り、用途地域は田園住居地域が新設されるまでは、12種類でした。

これまで都市部における農地は、人口増加に伴う宅地不足が懸念され、都市農地は「宅地化すべきもの」としてとらえられた政策が繰り広げられていました。

そのような政策が繰り広げられてきた中、今回、「田園住居地域」が新設されるに至った背景として都市部における農地に対する状況の変化があります。

1 人口減少に伴う宅地需要の鎮静化
2 住民の都市農業に対する認識の変化
~農業へ関心をもつリタイア層や食の安全への意識の高まり(顔の見える農作物への評価)など
3 防災意識向上による避難場所等としての農地の役割への期待
などなど・・・

このような変化から都市農業振興に関する新たな施策の方向性の一つとして、都市農地を都市に「あるべきもの」へと大きく計画を転換し、計画的に農地を保全することとなりました。

いわゆる2022年問題への対応

1992年に政府は、農地を宅地への供給促進を目指し、3大都市圏などの市街化区域の農地に対して固定資産税などを強化する一方、農地として保全すべきものは保全する姿勢をとりました。

農地として保全すべき箇所の土地所有者は、

・土地所有者が存命する限り
・農業の継続意思があること

を要件に宅地並みへの課税強化を30年間猶予されることになったのです。この猶予を受けた土地を生産緑地と言います。(※一定の面積要件、他にも要件あり。)

1992年に実施されたこの制度の猶予期間である30年後が2022年となるわけです。

なぜ、猶予期間が終わる2022年に問題が起こるのか?

それは、猶予が終わった後の生産緑地のいくつく先が、

1 市区町村に買い取り申し出を行う
~買い取られれば、公園等に整備される
2 市区町村が買い取らなければ、農業等希望者へのあっせん
~生産緑地として買い取る人がいれば、売却
3 農業等希望者がいなければ、生産緑地の制限解除
~宅地並みの固定資産税が課されるため、宅地として売却される可能性が高い

となります。

現在、市区町村は財政が厳しいことから買い取りは消極的にならざるを得ません。

また、農業等希望者へのあっせんが不調に終われば、これまで農地であった土地が大量に宅地として転用・販売される可能性が非常に高く、人口減少に向かう日本においては、地価への影響が大きなものとなります。

そこで、「特定生産緑地制度」が設けられ、

・生産緑地の所有者等の意向を基に、市町村は生産緑地を特定生産緑地に指定できる。
・特定生産緑地に指定されれば、市町村に買い取り申し出ができる時期が、30年経過後から10年延期される。
・10年延期された場合、次の10年経過後は、改めて所有者等の同意を得て、繰り返し10年の延長ができる

ことになりました。

これにより、生産緑地の大量の宅地化を防止することとなる一方、営農継続の観点から新鮮な農産物等への需要に応え、農業者の収益性を高める施設を建設できるように規制が緩和されました。

生産緑地地区における建築規制の緩和

これまでの生産緑地では、「農林漁業を営むために必要で、生活環境に悪化をもたらすおそれがないものに限定」されて施設の設置が可能でした。

これまでは、ビニールハウス、農産物の集荷施設、農機具の収納施設、休憩所等しか設置できませんでした。

かねてから、生産緑地での直売所等の設置の要望があったことなどから、この度

農産物等加工施設、農産物等直売所、農家レストラン等を生産緑地地区に設置可能
となり、これまでの規制が緩和されました。

この規制緩和により、生産緑地にも新たな建築物が建築されることとなりますが、住居専用地域に農業用施設等は原則として建てられない状況でした。

そこで、住居系用途地域の一つとして田園住居地域が新設されるに至ったのです。

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まとめ

今回は、田園住居地域が新設されるに至った背景について記事を書きました。

このようにみると、日本の現代の歴史を感じることもできました。

1990年代は宅地の不足から農地を宅地へ転換する政策
人口減少、都市農地の評価高まり、農地の防災機能の期待など

およそ30年で日本が経験した内容がぎゅっと濃縮された結果の制度の誕生かなとも思いました。

さて、田園住居地域の用途制限、規制内容については、別の記事で続きを書いていきたいと思います。

今回は固い内容となりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考:国土交通省都市局~生産緑地法等の改正について

後編はこちらからどうぞ。

【知りたい】不動産で使われる用途地域、新設の「田園住居地域」を解説【後編】
先日は、「【知りたい】不動産で使われる用途地域、新設の「田園住居地域」を解説【前編】」で、用途地域「田園住居地域」が導入された背景について書きました。今回は、田園住居地域の規制内容について書いていきます。